特大法螺貝 修復完了
法螺貝奏者の山内勝実さん 2026.3.13
特大サイズの法螺貝の傷みを修復中の山内勝実さん。
豊田市藤岡地区木瀬町の法螺貝(ほらがい)奏者・山内勝実さん(76)が昨年11月から手掛けていた特大サイズの法螺貝の修復作業が、およそ4カ月をかけて完了した。
この法螺貝は猿投神社の大祭で使われているもので、明治中期以前の制作と推測されている。重さは約3㎏あり、これほど立派なものは珍しいそうだ。専門的なメンテナンスのできる人がおらず穴やヒビ割れなどの傷みが進んでいたため、山内さんが修復を引き受けていた。
修復には動物の骨を煮出して作る天然のタンパク質系接着剤の膠(にかわ)を用い、穴を埋めるには貝殻を粉にしたを練り込んで使った。また補強のため貝の内側にも膠を塗り、その上に銀を混ぜた漆(うるし)を塗り重ねて裏打ちを施したという。仕上げに金を混ぜた漆でヒビ割れの線を金継ぎのように埋めると、法螺貝の色と馴染んで上品な仕上がりになった。秋の祭りでの披露が楽しみだ。
かつて法螺貝の音色は戦の開始を告げ、人々を否応なく戦闘に参加させる象徴だったという。山内さんは「法螺貝から歴史や環境の変化など、学ぶことはたくさんあります。若い世代に知ってもらいたいですね」と話してくれた。近年の海水温上昇の影響で貝の成長が早く、貝殻の薄いものが増えているそうだ。
山内勝実さんが講師を務める法螺貝の吹き方ワークショップが、6月28日に豊田市棒の手会館で開かれる予定だ。問合せは棒の手会館(☎45・7288)へ。
【八木 愛】