豊田市博物館でエジプト展始まる
監修の河江肖剰教授が解説 2025.7.4

河江教授が解説した「王の頭部」。冠や耳の下の部分、顔つき、発見されているものと類似していることなどからクフ王でないかと推測され、現存している等身大のものとしては最古だという。
豊田市博物館で先週28日から、「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」が始まった。期間は9月7日まで。
古代エジプトは約5千年前にナイル川流域に栄えた文明。ファラオ(王)の絶対的権力のもと約3千年間続いた。このエジプト展は、米国ニューヨークのブルックリン博物館の古代エジプトコレクションのなかから、彫刻、宝飾品、土器、人間やネコのミイラなど約150点を借り受けた巡回展で、東京都の森アーツセンターギャラリーから始まり、全国各地で開催される。現代人の想像を超える高度な文化を創出した古代エジプトの謎に満ちた3千年の営みをひも解くことができる。
監修したのは、エジプト考古学者のさん(52・名古屋大学デジタル人文社会科学研究推進センター教授)。サッカラの階段ピラミッド、ギザの3大ピラミッドとスフィンクスなどの3D計測調査や発掘など様々な調査に20年以上にわたって従事している人だ。
同展は「古代エジプト人の謎を解け!」「ファラオの実像を解明せよ」「死後の世界の門をたたけ!」の3テーマで構成され、河江教授の映像や音声で解説されている。古代エジプト人の日常の暮らしや巨大建造物のミステリー、永遠の命を追い求めた信仰とミイラづくりにまつわる不思議など、新たな発見に出会うことができる。さらに、河江教授が手掛けるピラミッドの3D計測データを使った最新の調査成果も観ることができる。また、知っているようで知らなかった古代エジプトの常識をトリビアとして紹介している。
古代エジプトで人々はどんな暮らしを営み、何を食べ、どんな言語を話し、何を書き残したのか。ピラミッドはなぜ、どのように造られたのか、ミイラに託されたメッセージは…。3千年の謎を掘り起こすことのできる展覧会だ。
観覧料は一般2300円、高校生・大学生1200円(前売り券あり)、中学生以下無料。現在開催されている豊田市美術館の企画展「モネ 睡蓮のとき」とのセット券もある。詳細は市博物館ホームページまたは特別展公式サイトから。問合せは市博物館(☎85・0900)へ。 【有我 都】